カフェやレストラン、美容室などに入ったとき、店内に心地よい音楽が流れていると、それだけで少し気分が変わります。
最近はスマートフォン一つで何千万曲もの音楽を聴ける時代です。
SpotifyやApple Musicなどを普段から利用している人なら、
「自分のスマホをお店のスピーカーにつないで、そのまま店内BGMにすれば簡単じゃない?」
と思ったことがあるかもしれません。
好きな曲を集めたプレイリストもありますし、操作も慣れている。わざわざ店舗BGMサービスを契約しなくても、これで十分なのではないかと考えるのも自然です。
しかし、ここには注意が必要です。
結論から言うと、個人契約の音楽アプリをそのまま店舗BGMとして使うのは避けたほうが安全です。
理由は大きく二つあります。
1.サービスの利用規約が個人・非商用利用を前提としている場合があること
2.店舗で音楽を流す場合には、サービスの規約とは別に著作権などの権利関係も考える必要があること
この二つは似ているようで、実は別の問題です。
「サブスク料金を払っているから、お店でも自由に流せる」
というわけではありません。
今回は、SpotifyやApple Musicなどの個人向け音楽サービスを店舗BGMとして利用する場合に、なぜ注意が必要なのかをわかりやすく解説します。
Spotifyを店舗BGMとして流してはいけない?
まずSpotifyについてです。
Spotifyは公式のサポートページで、サービスは個人および非営利目的でのみ使用できるとしており、バー、レストラン、店舗、サロンなどの事業所で公に再生することはできないと案内しています。
つまり、普段自分のスマートフォンで使っているSpotifyアカウントを、
飲食店
カフェ
美容室
サロン
小売店
ジム
その他の事業所
などの店内BGMとして、そのまま利用することはできません。
「無料プランだからダメで、Premiumなら大丈夫?」
と思う方もいるかもしれませんが、ここで重要なのは無料か有料かではありません。
個人向けSpotifyの利用自体が、店舗などでの公衆への再生を目的としていないという点です。
月額料金を支払っているからといって、店舗で音楽を流すための権利まで含まれているわけではありません。
Apple Musicなら店舗で流しても大丈夫?
Apple Musicについても、基本的な考え方は同じです。
Appleの「Appleメディアサービス利用規約」では、サービスとコンテンツの利用は、原則として個人利用および非商用利用のみに限られるとされています。
また、Appleがサービスやコンテンツを提供することによって、商業目的で使用する権利が利用者に譲渡されるわけではないことも明記されています。
そのため、
「Apple Musicを個人で契約しているから、そのアカウントをお店でも使える」
とは考えないほうがいいでしょう。
自宅で好きな音楽を楽しむための契約と、お客様がいる店舗でBGMとして利用することは、同じではありません。
「サブスク料金を払っているのに、なぜダメなの?」
ここが一番わかりにくいところかもしれません。
例えばSpotify PremiumやApple Musicは、毎月料金を払っています。
だから、
「ちゃんとお金を払って音楽を使っているのだから、問題ないのでは?」
と思いますよね。
ただ、月額料金を支払っているのは、あくまでそのサービスが定める範囲内で音楽を利用するためです。
たとえば個人で、
通勤中にイヤホンで聴く
自宅でスピーカーから流す
車の中で楽しむ
といった利用と、
レストランでお客様に聴かせる
カフェの店内全体に流す
美容室のBGMとして一日中再生する
という利用は性質が異なります。
後者は「自分だけが楽しむ」ものではなく、店舗に来た不特定のお客様に音楽を聴かせることになるからです。
そのため、個人向けサービスの契約と、店舗でBGMとして音楽を利用するために必要な条件は別に考える必要があります。
「規約違反」と「著作権」の問題は別
ここは特に重要です。
よく、
「Spotifyを店で流したら著作権侵害です」
とだけ書かれていることがあります。
もちろん、適切な権利処理をせずに店舗で音楽を利用すれば問題になる可能性がありますが、実際にはもう少し分けて考えたほうが正確です。
まず、サービスの利用規約の問題
Spotifyの場合、公式に店舗などの事業所で公に再生することを認めていません。
Appleの個人向けサービスについても、利用規約上、原則として個人・非商用利用が前提です。
そのため、個人契約を店舗BGMに使うと、まずサービスの利用条件に反する可能性があります。
そして、音楽そのものの権利の問題
さらに別に、店舗で音楽を流す場合には、楽曲の著作権などの権利についても考える必要があります。
JASRACも、店舗などでBGMとして音楽を利用する場合について案内しており、サブスクリプションサービスの中には個人的な利用に限定されているものがあるため、店舗BGMとして利用する際には各サービスの利用規約を確認するよう案内しています。
つまり、
「JASRACへの手続きをすれば個人向けSpotifyを自由に店舗で使える」
と単純に考えることもできません。
音楽の権利処理と、SpotifyやApple Musicというサービス自体の利用条件は別だからです。
CDを買った場合も同じように注意が必要
「では、サブスクを使わずCDを買って流せばいいのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、こちらも単純ではありません。
CDを購入したことは、そのCDを自宅などで楽しむこととは別に、店舗で不特定多数のお客様に聴かせるための権利まで自動的に取得したことを意味するわけではありません。
JASRACも、市販CDやインターネット配信された音源を店舗などでBGMとして利用する場合の手続きについて案内しています。
さらに、利用する方法によっては、著作権以外の権利についても確認が必要になる場合があります。
つまり、
Spotifyならダメ、CDならOK
という単純な話でもありません。
店舗で音楽を継続的に流すなら、最初から店舗利用を前提とした方法を選ぶほうがわかりやすいでしょう。
店舗でYouTubeをBGM代わりに流す場合も注意
YouTubeについても同じです。
「BGM用の長時間動画があるから、それをお店で流しておけばいい」
という使い方を考える店舗もあるかもしれません。
しかし、動画サービス上のコンテンツを店舗で再生する場合には、音楽だけではなく映像に関する権利やサービスの利用条件も関係してきます。
特に店舗で継続的に利用する場合は、
「再生できる=店舗BGMとして自由に使える」
とは考えないことが大切です。
個人向けの動画・音楽サービスと、店舗用BGMサービスでは、そもそもの利用目的が違います。
店舗BGMを流すなら、どうすればいい?
では、カフェやレストラン、美容室などでは、どのように音楽を流せばいいのでしょうか。
代表的な方法としては、次のような選択肢があります。
1.必要な権利処理を行って市販音源などを利用する
一般のCDや配信音源などを使う場合は、利用方法に応じて必要な権利関係を確認します。
ただし、店舗によっては、
「何を契約すればいいのかわからない」
「毎回確認するのは面倒」
ということもあるでしょう。
2.商用利用が認められたBGMを使う
商用利用可能なBGM素材を利用する方法もあります。
ただし、「フリーBGM」と書かれていても、店舗での商用利用まで自由に認められているとは限りません。
音源ごとに、
商用利用の可否
クレジット表記の必要性
店舗利用の可否
利用できる媒体
などを確認する必要があります。
3.店舗向けBGMサービスを利用する
最も手軽な方法の一つが、店舗利用を前提としたBGMサービスを利用することです。
店舗向けサービスなら、お店で音楽を流すことを想定して提供されています。
また、自分で何百曲も探してプレイリストを作る必要がなく、店の雰囲気に合ったチャンネルを選んで流せるサービスもあります。
低コストで店舗BGMを導入したいなら「らくネット」
「SpotifyやApple Musicのように、簡単に操作できるBGMサービスがいい」
「でも、店舗で安心して使えるサービスを選びたい」
「できれば料金も抑えたい」
という場合に、選択肢の一つになるのがらくネットです。
らくネットは店舗での利用を想定したBGMサービスで、飲食店、カフェ、美容室、サロン、ホテル、クリニックなど、さまざまな業種で使いやすいチャンネルが用意されています。
ポップス、R&B、ジャズ、ボサノバ、イージーリスニング、ピアノなど、店の雰囲気に合わせて選べるのも便利なところです。
例えば、
カフェなら
アコースティック、ジャズ、ボサノバ、カフェ系ポップス
飲食店なら
明るいポップス、R&B、イージーリスニング
美容室・サロンなら
おしゃれなポップス、ラウンジ、アコースティック系
ホテルや落ち着いたレストランなら
ピアノ、ジャズ、イージーリスニング
といったように、お店の空間に合わせてBGMを選べます。
月額790円から始められるのも大きなポイント
店舗BGMは毎日使うものだからこそ、料金も重要です。
らくネットは、年払いの場合、月額換算790円(税別)から利用できます。
60チャンネル以上の中から店舗の雰囲気に合わせて選べるため、
「ただ安いだけではなく、実際にお店で使える音楽の選択肢が多い」
というのが特徴です。
個人向けの音楽アプリを無理に店舗で使うのではなく、最初から店舗利用を前提にしたサービスを選ぶことで、利用条件について悩む手間も減らしやすくなります。
まとめ|SpotifyやApple Musicを「個人契約のまま」店舗BGMに使うのは注意が必要
最後に、今回のポイントをまとめます。
Spotifyは公式に、個人・非営利目的での利用を案内しており、店舗などの事業所で公に再生することはできないとしている
Appleの個人向けサービスも、原則として個人・非商用利用が前提
月額料金を支払っていても、その契約が店舗でのBGM利用まで認めているとは限らない
サービスの利用規約と、音楽そのものの著作権などの権利処理は別の問題
CDやダウンロード音源でも、購入しただけで店舗利用が自由になるわけではない
店舗で音楽を流すなら、利用条件や必要な権利処理を確認することが大切
手軽に導入したい場合は、店舗利用を前提としたBGMサービスも選択肢になる
普段は何気なく使っているSpotifyやApple Musicですが、「自分で聴く」のと「お店のお客様に聴いてもらう」のでは利用の意味が変わります。
「サブスクを契約しているから大丈夫だろう」と自己判断せず、店舗で使う場合には、まずサービスの利用規約を確認することが大切です。
そして、毎日店内BGMを流すのであれば、最初から店舗利用を想定したサービスを選んでおくほうがシンプルです。
コストを抑えながら、ポップスやR&B、ジャズ、ボサノバ、イージーリスニング、ピアノなど、店舗の雰囲気に合わせてBGMを選びたい場合には、らくネットのような店舗向けBGMサービスを検討してみるのも一つの方法です。